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書家の安東麟です。初めまして、どうぞよろしくお願い申し上げます。甲骨文、西周金文を専門として継続して、研究しております。簡単に言いますと、甲骨文オタク(甲オタ)、金文マニアで~す。白川静氏の説に準拠して学んでまいりましたが、数年前より、京都の漢字学研究会に於いて、大学の研究者から中国、日本の近々の字説や、近年の出土文物を直に学ばせていただいており、安東も講読発表を行なっております。さて、書道家というと、大筆を持ち、文字表現に終始しているという印象を持たれると存じます。安東はパソコンを駆使して、甲骨文など拓本をスキャンしては必死に字形を眺め、その字源を調べては、見えない拓本をトレースして臨書資料を作っています。筆を持つためには、先人の拓本を眺めては分析して、トレースしては、打ちこみ、文字に悩んで放りだしては、また書いてという作業を続け、いつも静かにパソコンに向かい、目は病み、首痛が消えること無き、現代の書家であります。書道の手習い本において、甲骨文や西周金文は、これまで「無表情な線」と記述されることが多かったように思います。篆書の前の、先秦(せんしん)の文字は、筆で書かれてはいない。甲骨文は彫られたもの、金文は鋳込まれ、または、刻まれたもの。彫られ、鋳込まれ、刻まれたものだから、筆で書かれたような抑揚や太細などの表情はなく、「無表情な線」なのだということでありましょう。甲骨文は彫られた形を見て、細いと感じ、角張っていると思う。西周金文は鋳込まれた字形を見て、太さを感じて、丸いと思う。そして、殷・周を通して、筆の出土がないため、筆で書かれていた文字という発想には到らない。漢字学研究会において、落合淳思氏や佐藤信弥氏などの御研究、御発表を拝聴して、安東は明らかに変わったと思っています。わたしも10年前までは、筆の知識、竹簡の知識など皆無でした。しかし、近々の出土文物や研究を拝聴し、これまでの甲骨文、西周金文、春秋、戦国時代の知識が明らかに変化しました。甲骨文、西周金文の内容の深化、その飛躍を感じています。昨日、2023年3月8日に、読売カルチャースクールに配布した書道資料は、『金文とは何か』でありました。書道を愛好する方は、おそらく目を通したことのある、二玄社の『中国法書ガイド』から松丸道雄先生の文言を抜粋しつつ、金文を思考したものです。そこには、金文の下書きは筆で書かれたものと明確に記述してあります。松丸氏は、甲骨文は筆で書かれた下書きの上を骨書きしたものであり、金文の文字のもとは、皮革の上に筆で下書きし、双鉤填墨のように、双鉤、つまり輪郭を彫っていき、それに粘土を押し当てて型を取ったと記述されています。こうした、筆の視点から、甲骨文と金文の考え方、書き方は変わります。キーワードは筆の視点です。同志を探したいと思っています。動画にアップし、資料を添付するという資料無料化に、今年も、突き進んでいきます。息子に勧められて始めた動画製作によって、まるで知らない方へ向けて発信することに楽しみを感じています。どうぞよろしくお願い致します。ご質問でもなんでも結構ですから、メールをくださいませ。安東麟
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